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大阪府立中之島図書館要覧 2019 建館寄付記と増築寄付記

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年7月16日更新

建館寄付記

建館寄付記・写真
重野安繹 氏
岡本隆徳 氏
鋳造東京美術学校(現 東京芸術大学)

■ 書き下し文
 我が大阪は関西の雄府にして、人口百万、財豊かに物殷(さか)んにして、諸学競い興る。而かるに図書館の設独り焉(これ)を闕(か)く。是に於いて、府庁、建館の議有り。某、自から揣(はか)らず、図書館一宇曁び図書財本若干資を献じ、もって微力を効さんことを請う。府議して之を納れ、明治三十三年十一月に起工し、三十七年一月に至って成れり。
夫れ、宇内の交通、五州の貿易経済の術は、商工より急なるは莫し。而かして大阪は商工の淵藪と称す。斯の館に入る者は、仰いで国家の盛運を思い、俯して我が府の富源を察し、之を培い、之を養い、諸学理に参じ、益功を将来に収めよ。
庶幾くは、府庁建館の議に負かず、某も亦余栄有るに与(あずか)らんことを。

                            従五位住友吉左衛門識す。

増築寄付記

増築寄付記
永山近彰 氏
杉山令吉 氏
鋳造東京美術学校(現 東京芸術大学)

■ 書き下し文
 曏(さき)に、某、本館曁び図書財本を本府に納め、聊(いささ)か効を報ぜり。其の端末は銅に記して上に扁(かか)ぐる如し。事は二十秊(ねん)前に在り。
今や奎運旺んにして、教化行わる。入館の士子咽を填め、設備窄狭を告ぐ。本府の慶為らざるべけんや。
是に於いて、府庁の允許を得、館の左右各おの新館一宇を増築し、規制を恢張す。工は大正十年一月に興し、翌年十月に訖りて竣す。
今よりして後、士子閲覧に便にして、精研洞究、昭代休明の化を黼黻(ふふつ)するは、独り某の素願に愜(かな)うのみに非ずして、其の本府を埤し、国家を益すること、盖し浅鮮ならざるもの有らん。
夫れ、府庁建館の議の若きは前に記備われり。茲(ここ)に之に及ばずという。

従四位勲二等男爵住友吉左衛門識す。