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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.149

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年5月10日更新

なにわづ・題字

2015年12月 No.149


近代大阪画壇の巨匠

明尾 圭造

『住吉御田』

『住吉御田』画像

 ここ数年、商業史博物館(大阪商業大学)では大阪画壇の展覧会を継続実施している。昨年の「浪花慕情−菅楯彦とその世界−」展に続き、今秋は「北野恒富と中河内」展を開催した。浪速風俗の楯彦(1878〜1963)に対して、妖艶な女性美で知られる恒富(1880〜1947)、互いに「大阪情緒」を体現する作家として、近代大阪を代表する日本画家であることに異論はないだろう。

 惜しいことに、いずれも大阪で大規模な回顧展が実施されたことがなく、小規模ながら本館での企画が初めての試みとなった。

  展覧会を進めるにあたって、真っ先に念頭に浮かんだのが中之島図書館に所蔵される作品群であった。楯彦の『浪速文人図』、『住吉御田』や恒富の『茶々殿』、『宝恵籠』などは二人の代表作であるだけでなく、魅力あふれる構図とその画題は大阪文化を語る上でも貴重な作品であることは言を俟たない。折角の機会なので、ここで、少し作品について触れておきたい。

 住吉大社にも縁が深かった楯彦は御田植神事の画題を好んで描いた。稲作の始まりとともに田の神を祭る田植神事は各地で行われたが、古式を守り伝える住吉御田植神事は、今日、重要無形民俗文化財に指定されている。植女や稚児が行列を整えて御田へ向う場面であろう。このあと、御神水を御田の四方から注ぎ清め、早苗の授受が行われる。.

『茶々殿』
『茶々殿』画像
 茶々は浅井長政とお市の方の間に生まれ、二度の落城の経験を経て秀吉の側室となる。山城国淀城にいたので淀君と呼ばれたが、秀頼を生み権勢を誇った。大坂城落城にあたり秀頼とともに自刃し、その数奇な運命を閉じている。本図は恐らく北ノ荘時代の若き茶々の姿を描いたものと思われるが、背景の沈んだ色調とともに目線を閉ざしてしまうよう

な人物配置など、茶々の不幸な運命を予感させるような作品となっている。大正10年再興院展に出品された本作は、当時根津清太郎の松子夫人(後の谷崎夫人)がモデルとされ、後に谷崎潤一郎『盲目物語』の口絵に用いられた。

 いずれも美術館に所蔵されていても不思議ではない作品だが、我々は、こうした作品が中之島図書館に所蔵されていることを誇りに思う。収蔵の経緯は定かではないが、作家本人の寄贈も含め、有志の尽力により文化の殿堂としての図書館に対する先人の想いが感じられる。『浪速文人図』(楯彦)や『茶々殿』(恒富)は2mを超える作品のため、常時の展示は難しかろうが、出来れば先人顕彰の場を設けていただき、素晴らしい蔵書群のなかで、これら優品に相見える日を夢見ているのはひとり筆者だけではあるまいと思う。

(大阪商業大学准教授)

大阪資料・古典籍課から

平成26年度新収資料紹介

『家康大仁村難戦之図』画像

『家康大仁村難戦之図』

[楊斎]延一画 東京

武川清吉 [明治] 錦絵 3枚 【枚432】

画を描いた楊斎延一は、明治期に活躍した浮世絵師。美人画や博覧会、憲法、国会関係のほか、東京名所、日清日露戦争関係などを描く。

 

大坂夏の陣で真田信繁(幸村)に追い回される徳川家康が描かれている。この物語の真偽はさておき、真田信繁(幸村)人気がうかがえる錦絵である。

『浪花自慢名物尽』画像

『浪花自慢名物尽』 

長谷川貞信画 大阪 綿屋喜兵衛 【枚433】

江戸時代後期から明治時代にかけて大阪で活躍した浮世絵師長谷川貞信の代表作。美人画に大阪の名物が描かれている全10作のシリーズもので、この作品は十日戎小宝を描いたものである。この他には、胡蘿蔔、小倉屋鬢附元ゆひ、玉露堂扇、ざこば魚嶋鯛、淀川鯉、駿河屋煉羊羹、大丸呉服店、天満大根、福本すしが描かれている作品があり、当館ではシリーズ全10作【大和銀文庫123】を所蔵している。

『川口伝信機神戸通り蒸気船浪花入津之体切組灯籠』画像(1)

『川口伝信機神戸通り蒸気船浪花入津之体切組灯籠』画像(2)

『川口伝信機神戸通り蒸気船浪花入津之体切組灯籠』

 長谷川貞信画 大阪 綿屋喜兵衛 〔明治初期〕 

4枚続揃 立板古 【枚461】

大阪では、幕末から明治15年ごろにかけて、長谷川貞信父子の立板古が数多く出版された。立板古(切組灯籠組上之図、もしくは切組灯籠絵)は、1枚摺りの浮世絵から切り取った絵を折り、張り付けて組み立てるもので、紙製のジオラマのようなものである。完成図は上の用紙の左下部になる。

明治3年(1870年) に関西ではじめて大阪川口(現西区)から神戸まで電信線が開通した。当初「電信」は「伝信」と書かれたため「伝信機」とタイトルにある。川口伝信局は川口運上所(税関)内に置かれていたため外国船とともに描かれている。

ビジネス支援課から

中之島図書館×地域創業支援コーディネーター人材育成事業
「創業支援者向け資金調達成功へ導く支援のポイント」 参加レポート

 9月15日(火)に、大阪府「地域創業支援コーディネーター人材育成事業」と連携し、創業支援者に向けて、融資制度や、資金調達を成功へ導く支援のポイントをご紹介するセミナーを開催しました。「創業支援者向け」と銘打っているものの、37名の参加者の約半数は、資金調達を受ける側の創業・起業を志す方々で、支援する側・受ける側ともに熱心に聞き入っておられました。

 講師には、永井俊二氏(日本政策金融公庫 国民生活事業本部 南近畿地区 大阪創業支援センター)と森内秀人氏(クレド株式会社 代表取締役)をお迎えしました。前者は100%政府出資の政策金融機関、後者は企業の資金調達を支援する企業です。

 前半は永井氏が担当され、以下のような内容をご講義くださいました。

<1>資金調達(融資)を受けるには、なぜその事業を行いたいのか、それは必要とされているのか、経験は積んでいるのかを創業計画書やビジネスプランに落とし込んでいく必要がある。

<2>創業者は初めから立派な設備で大きな事業を行いたいと考えがちだが、「小さく生んで大きく育てるという発想が大切である。

<3>自己資金の割合が多いほど、借入負担や返済リスクが軽減し、安定した経営が行える。融資制度上はそれほど自己資金割合を求められていなくても、実際には3分の1程度の準備はあるほうが望ましい。また、融資側に事業意欲を伝えるには、融資相談の直前に多額が振り込まれた通帳を見せるよりも、コツコツと月1万円でも積み立ててきた通帳を見せるほうが、創業準備の証となる。

<4>日本政策金融公庫・国民生活事業の融資の紹介

・約8割が無担保・無保証人で融資を受けられている。
・保育や介護分野の起業、女性・若者・シニアの起業には、一定の条件の下で、利率を優遇する制度がある。

<5>大阪府制度融資の概要説明。

 後半は森内氏が担当され、以下のような内容をご講義くださいました。

<1>当たり前のようで一番難しいのは信頼関係の構築。応援者が増えると事業の成功に繋がる。

<2>資金調達方法として少人数私募債の紹介(発行条件や発行までの流れ)

<3>経営判断に最低限必要な数字(財務)の物差しについて(リターンオンアセット、自己資本比率、手持ち現預金の月次管理等)

<4>事業が不振の際は、撤退や事業縮小の決断が重要。発展させることは社員でもできるが、この決断は
経営者しか行えない。

 講義後の質疑応答の時間にも複数の質問が寄せられましたが、セミナー終了後、実際に創業を検討中と思われる受講者が両講師に個別に相談を持ち掛けられる姿が多数見られ、盛況のうちに終わりました。

総務課から

中之島図書館リニューアル事業

大阪府では、中之島エリアを文化芸術の重点エリアとして位置づけており、中之島図書館においては、本を借りる・資料を調べるという従来型の図書館から、文化を創造・発信する図書館、わくわくするエンターテイメント性のある図書館に生まれ変わるため、平成26年度から27年度にかけて、リニューアル工事並びに指定管理者制度等の導入を進めております。

リニューアル工事

➢ 第1期(H26年度)

2階正面玄関開扉工事(54年ぶりの開扉)、フリー入館工事、外壁洗浄、2階トイレ改修工事を実施。

➢ 第2期(H27年度)

3階大書架整備工事、3階記念室改修工事、2階カフェ基礎工事、2階天井工事、1階書庫改修工事、1階トイレ改修工事、照明球LED化工事、軒・樋改修工事を予定。

指定管理者制度等の導入

➢ 平成28年4月から指定管理者制度導入予定。業務内容は、施設の管理運営、建物・蔵書等をかした文化事業の実施、図書館に係る情報発信等を予定。

 ➢ 平成28年4月からカフェ事業者導入予定。指定管理者と連携し、中之島図書館の新たな魅力づくりに取り組む。


図書館周辺図

 開館時間 月~金 午前9時~午後8時
       土    午前9時~午後5時

  休館日  ・日曜日・国民の祝日及び休日
         ・年末年始・6月、10月、3月の第2木曜日

   大阪府立中之島図書館     
     〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10
     電話(代表) 06-6203-0474

http://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/