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大阪府立中之島図書館だより「なにわづ」 No.147

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年9月8日更新

なにわづ・題字

2013年10月 No.147

オダサク100年

野本康憲

 大阪で生まれ、大阪に生き、そして大阪を題材にした数々の作品を残した作家・織田作之助が生まれて、今年でちょうど100年になる。それを記念して連続テレビドラマが放送されたり、大阪歴史博物館で特別企画展が開催されたりと、この秋は、ちょっとした“オダサク・ブーム”である。

 中之島図書館でもドラマの放送に合わせて織田作之助の著書や評伝等を並べたコーナーを設けたところ、瞬く間に多数の本が借り出されてしまった。昭和22年に彼が33歳の若さで亡くなって66年になるが、今日、なお、とりわけ大阪では根強い人気を保っているようだ。

 その背景の一つには、彼の作品の多くが「夫婦善哉」にしろ「わが町」にしろ、大阪を舞台にしており、我々大阪人に古き良き大阪、大阪弁を伝えてくれる親しみ深いものであるということが挙げられよう。

 そして、今一つが、彼の作品の端々に現れている東京への対抗心、反東京、反権力意識が大阪人の琴線に触れるところが多分にあるということがではないだろうか。

 存命当時、東京の文壇は必ずしも作之助に好意的でなく、特に“小説の神様”と呼ばれた志賀直哉は彼に批判的でさえあった。しかし、作之助は、その小説の神様に対して「可能性の文学」という一文で、敢然と立ち向かう。「志賀直哉とその亜流その他の身辺小説作家は…(中略)…彼らの技術は最高のものと言われているかもしれないが、しかし、いつかは彼らの技術を拙劣だとする時代が来ることを、私は信じている」と言い切っている。この作品の中で、彼は自らを東京の将棋界に立ち向かった坂田三吉になぞらえているようだが、こういった東京への対抗心を剥き出しにする作之助の姿勢が大阪人に受けるのだろうと思う。

 ところで、作之助が野球に関心があったのかどうか、彼の作品から伺い知ることはできないが、もしも興味を持っていたとしたら、熱狂的な阪神タイガースファンになっていたのではないだろうかというのは愉快な想像である。

 さて、中之島図書館では、「織田文庫」という特別コレクションを所蔵している。これは、作之助が第三高等学校への受験勉強のために中之島図書館に通っていた縁から、昭和52年に彼の実姉・竹中タツさんから寄贈され、その後資料の整理、目録の作成を経て昭和54年から公開している。後年、遺族の方から寄せられた資料を合わせ、作之助旧蔵の図書、雑誌、書簡、草稿など約1,500点が収められている。昨年7月からは、この織田文庫の目録が中之島図書館のHPでご覧いただけるようになったので、オダサク研究、織田文学研究に是非ご活用いただきたい。

 最後になるが、彼は、「大阪・大阪」という作品の中で中之島図書館についてこんなことを書いている。「当時、中之島図書館の横の方で、しきりに地下鉄の工事をやっており、ボーリングの音が耳をたたきわるように聞こえて来て、勉強もなにも出来なかったことを覚えている…」。どうやら、本人の弁によると図書館は彼の受験勉強の役には立たなかったようだが、こういうことをあっけらかんと書くのが如何にも作之助らしい。後年、その勉強に役立たなかった図書館に、その時の縁で自らの名を冠した「織田文庫」ができたということを知ったら、彼は、はたして何とコメントするだろうか。

(大阪府立中之島図書館長)

平成24年度新収資料紹介

『りうせんじ糸桜(浪花百景之うち)』

  『りうせんじ糸桜(浪花百景之内)』 長谷川貞信画 大阪 綿屋喜兵衛【枚/401】大坂の絵師・長谷川貞信が描いた「浪花百景」のひとつで、大阪市天王寺区生玉町にある浄土宗の寺・隆専寺にかつてあった糸桜と付近の賑わいを描いている。「隆専寺の糸桜」として名高かったが、『大阪府全志』によれば、大正時代には枯れてしまっていたらしい。

『地口行燈』[後編]

 『地口行燈』[後編] 雲和亭湖龍撰 梅亭香味人校松川半山画 【229.6/26】地口に松川半山の絵を添えたもの。地口とは、駄洒落の一種で、よく知られた言葉やことわざを発音の似通った語句に置き換え、違った意味に読み替えるなどして楽しむ言葉遊びのことで、江戸中期頃から、地口を行燈に書き、街頭に飾る風習ができ、それを「地口行燈」という。

 

中之島図書館と織田作之助の一年

 本年平成25年(2013)は織田作之助(1913-1947)の生誕からちょうど百年にあたります。当館では耐震補強工事施工の関係から織田作之助の生誕百年より一年早く、昨年度に特別展「織田作之助の世界」を開催いたしました(平成24年10月24日~11月24日)。展示会へは連日多くの方にお越しいただき、3000人近くの方にご覧いただきました。そして、織田作之助の生誕から百年となった本年、大阪歴史博物館で開催されております『生誕100年記念 織田作之助と大大阪』展(平成25年9月25日~10月18日)に多くの資料を出品いたしました。

 

情報検索出前講習を実施しました。

 大阪府立図書館では、府内市町村図書館支援の一環として市町村図書館職員を対象とした情報検索出前講習を行っています。今年度、大阪資料古典籍課では平成25年9月26日に八尾市立八尾図書館(参加13名)、10月4日には池田市立図書館(参加19名)において郷土資料のレファレンス力の向上を目的とした「大阪関係資料の情報検索講習」を実施致しました。便利に使える参考図書やウェブサイト、当館で作成している調査相談に役立つ目録類(レファレンスツール)などを紹介し、当課が専門的に行っている大阪の郷土情報の調査相談の実務に基づいて講習を行いました。
 

就活生向け「企業研究セミナー」開催しました。

 大阪府商工労働部雇用推進室との連携事業として、大学3・4回生を主な対象とした就活セミナー「今から始める・今から間に合う(就活)企業研究セミナー」を8月5日(月)、6日(火)、12日(月)に開催しました。第1部では森顕一さん(株式会社JMTC)をお招きし、就職活動で重要な柱となる「優良企業の見つけ方」についてご講演いただきました。第2部では「中之島図書館活用就活術」を当館職員がお話ししました。企業情報の収集に役立つ様々な資料やデータベースをご紹介したところ、「就職活動で活用できる資料が多くあることに驚いた」「就活に対するモチベーションが上がり良かった」等のご感想をいただきました。 
 

ミニ展示を毎月開催しています。

 平成25年度は6月より毎月中央ホールにて、所蔵資料のミニ展示を行っています。月ごとに設定したテーマのもと、普段書架に埋もれがちな資料の展示を行うことで、資料の効果的な活用を目指しています。6月と11月は大阪企業家ミュージアムと連携し「企業家に学ぼう」、7月は上記の就活セミナーとコラボし「シューカツを応援2013」というように、テーマにより様々な関係機関との連携により、情報発信の強化に努めています。ステンドグラスが美しいドームの下、多くの利用者にご利用いただいています。
 

図書館職員スキルアップ研修を開催しました。

  大阪府内の図書館をサポートする広域図書館として、主に図書館職員のスキル向上のために、平成25年10月10日(木)に図書館職員スキルアップ研修「図書館サービスの可能性を広げよう!」を開催しました。

図書館職員スキルアップ研修 研修では参加各館の運営に役立てていただくことを目的に、色々なタイプの図書館等のサービス実践、現状や新しい試みの発表が行われました。ホームページでの案内をみて参加された一般の方も含め、55名の参加があり、「思い出のこし」事業・eデポ・まちライブラリーなど様々な興味深い実践活動について発表と質疑応答などが行われました。参加者からは「直接の担当者から話を伺うと、大変わかりやすく、ポイントを押さえた話で、興味・関心が深まって良かった」「各館の特色ある事例が聞けて大変参考になった」「パワーをもらえる研修だった」等のご感想をいただきました。休憩時間には、東日本大震災の記憶を風化させないよう体を動かして防災意識を持ち続けるという思いをこめて、みちのく図書館員連合が作られた「図書館体操第一」を行い、体をほぐしました。


 

書庫見学ツアーを始めました。

 書庫見学ツアー 平成25年5月から、当館の歴史や建物の説明のほか、書庫内で当館ならではの古典籍を間近にして紹介させていただくツアーを始めました。参加された方からは、「普段は入れない所を見学できた」「「貴重な資料を見れた」等好評を得ています。

 今年度は、概ね月1回、土曜日の午後に開催しています。今後の予定や詳細については、館内掲示または当館ホームページをご覧いただくか、当館にお問い合わせください。 


 

大阪資料・古典籍室は、三階から二階へ移転しました。

 平成25年3月から平成26年12月までの予定で、中之島図書館の耐震工事が行なわれるのに伴い、 3月18日より、大阪資料・古典籍室1はマイクロ室へ、大阪資料・古典籍室2は新聞室へ移転しました。小展示は、中央ホールで開催しています。閲覧業務は通常どおりしていますので、ご利用ください。
 

中之島図書館の耐震補強工事について

 中之島図書館では、現在進めている耐震補強工事のうち、図書館内での作業(3階屋根裏部分での鉄骨補強工事)が12月から始まります。その際、大量のホコリの発生が予想されることから、来館者の安全確保に万全を期すため、図書館を12月2日(月曜日)から12月28日(土曜日)まで休館します。また、予約図書の貸出、返却など一部のサービスは図書館南側の職員通用口付近に臨時の窓口を設置して行います。 
 

図書館周辺図

開館時間 月~金 午前9時~午後8時
         土    午前9時~午後5時

  休館日  ・日曜日・国民の祝日及び休日
         ・年末年始・6月、10月、3月の第2木曜日

   大阪府立中之島図書館     
     〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10
     電話(代表) 06-6203-0474