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大阪府立図書館の活動評価について(外部評価報告) 平成26年度

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月29日更新

[PDFファイル/301KB]

平成27年9月
大阪府立図書館協議会 活動評価部会

 大阪府立図書館は,長期的方針として位置づけられる5つの「基本方針」を掲げ,この基本方針を深めるためにそれぞれの「重点目標」(現在:平成25年度~27年度),および対応する年度ごとの「アクション・プラン」を立案し,「重点目標」の達成度合いを測る「重点指標」を設定している。
 今回の活動評価では,大阪府立図書館の「基本方針」の枠組みの中で,各「重点目標」について,「重点指標の達成度」等により,平成26年度分の活動評価を実施し,それを踏まえた27年度の「アクション・プラン」の妥当性について検討を行った。
 結果は以下の通りである。

1.「基本方針1」
(大阪府立図書館は,市町村立図書館を支え,大阪府全域の図書館サービスを発展させます。)

 重点目標として「市町村への資料提供,図書館間連携・協力の強化」「府域図書館職員を対象とした研修」「他機関との連携」「調査・研究活動,専門性の向上」の4項目が掲げられている。大阪府全域の図書館サービスの発展が,府域の図書館への支援状況を具体的に示す協力貸出,府域の図書館ネットワークの基礎となる人材育成,これからさらに重要性の高まる図書館以外の機関との連携,それらを下支えする大阪府立図書館職員の資質向上という4点でおさえられている。「基本方針1」に関して,この4点は重要な項目である。
 協力貸出については,平成25年度の評価報告において,資料の貸出対象範囲が拡大しているにもかかわらず,市町村立図書館への協力貸出冊数が減少していること,いっぽうで市町村立図書館間の相互貸借を反映した市町村間物流冊数は目標値を上回る実績を示していることを指摘した。この傾向は平成26年度も変わっていない。平成26年度,府域図書館を対象としたアンケートの実施等によりニーズの分析・調査が実施され,搬送コースの再編や大阪市立図書館との資料搬送回数の増加に着手された点は,大いに評価できる。その影響は実際には平成27年度以降に表れてくるであろう。平成27年度の早い時期での結果分析と,より適切なサービス展開に期待したい。
 図書館職員の研修事業では,参加者数がこの2年で3倍近くに増加している。出前講習の実施や体系的な研修計画の試みに加え,府域の図書館職員の人的ネットワークを強めていく場を構想したワークショップを導入したことも,高く評価できる。今後は,研修後にインフォーマルな情報交換の場を意識的に設定する,といった方法も考えてよいのではないか。また,これらの研修が図書館職員一人一人のキャリア形成に位置付けられ,自館での成果還元に繋がるような仕組みがあれば,研修への参加意欲をより高めるとも考えられる。昨年度も指摘したが,府域の図書館職員,府立の図書館職員を問わず,研修参加者については,研修への単発参加に留まることなく,例えばポートフォリオ評価の導入なども検討してはどうか。また,研修成果の可視化は,参加意欲の向上に繋がるであろう。たとえば,ウェブサイトの「府内図書館員のページ」に成果報告や文書発表の件数を公開するといった方法も考えられる。
 他機関との連携強化については,一歩ずつ具体化され,拡大推移しており,評価できる。今後のさらなる展開に期待する。

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2.「基本方針2」
(大阪府立図書館は,幅広い資料の収集・保存に努め,全ての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。)

 重点目標は「蔵書構築,収蔵能力確保の取組」「レファレンス,資料提供サービスの充実」「ビジネス支援サービスの拡充」「府域全体の障がい者サービス向上」「ICTの進展に合わせたサービス基盤整備」の5項目である。
 蔵書満足度については,前年度よりもわずかな増加が見られたものの,目標達成には至っていない。厳しい財政状況下にあって,府内各所からの信頼に適切に応え得る効果的な蔵書構築の実現が望まれる。平成27年度に計画されている,市町村立図書館との協議のもとでの「府域図書館払出本の受入れガイドライン」の策定は,府立図書館の保存図書館機能実現への最初の一歩であり,歓迎したい。ただし,ガイドラインには府域市町村図書館の協力を明記し,府立図書館に一方的な負荷がかかることのないような持続性の高い相互協力体制の構築が望まれる。
 レファレンスサービスについては,e-レファレンス質問件数が前年度に比べ25%減となった。これには,国立国会図書館レファレンス協同データベースへのデータ登録数の増加が一定の影響を与えたのではないかとも推察されるが,今後の分析を待ちたい。「調査ガイド・資料一覧等アクセス数」の低減は,図書館システム更新にともなうURLの変更が原因との見解が示された。そうであるならば,旧URLから新URLへのリダイレクションの導入などの対応が検討されるべきであっただろう。今後同様の変更がある場合には,ぜひ考慮願いたい。府各部局等への「政策立案支援サービス」は年度による増減が大きいが,これを順調に定着させ,安定した日常サービスとして展開していくことが期待される。
 ビジネス支援サービスでは,他のビジネス機関の催し紹介や,府立図書館における展示・講座等の開催が積極的に展開されたことは,連携協力の強化として評価できる。次年度はさらに,中之島図書館のリニューアルを機とした「ビジネス支援サービスの新たな展開の検討」が企図されており,大いに期待したい。
 障がい者サービスについては,昨年落ち込んだ研修等への参加者数が持ち直し,多様な障がい者関係団体・施設等への講師派遣や研修会の実施等により,その連携強化が図られたことは,大いに評価したい。「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が平成28年4月から施行されるのを前に,府立図書館としての対応方針を早急に検討する必要があろう。また,平成24年の著作権法改正の「果実」を活かした障害者サービスの新たな企画も期待される。

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3.「基本方針3」
(大阪府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実に努めます。)

 重点目標は「図書館利用が困難な子どもへのサービス」「子ども読書活動推進,人材育成」「学校支援サービス」「国際児童文学館機能の充実」の4項目である。
 図書館の利用が困難な環境におかれた子どもへのサービスでは,矯正施設等へのサービスの検討が,児童サービス全般では,「大阪子ども読書活動推進ネットワークフォーラム」事業(文科省 読書コミュニティ拠点形成支援事業)への参画,実施が,国際児童文学館については,大学,研究機関等との連携促進や,専門協力員,特別研究者制度の実施などが企図されており,企画推進の意欲を高く評価したい。今後はその具体的な成果が待たれる。たとえば乳児院・児童養護施設への出前おはなし会などが順調に進められている。また,手話によるおはなし会や,日本語を母語としない子どもたちへのサービスも徐々に始まっている。この芽を大きく育てていただきたい。国際児童文学館では他機関との連携が複数計画されており,その成果が実りつつある。学校支援サービスにおいても事業の継続・推進が図られている。小学校との連携によるモデル事業として,小学校の希望テーマに沿った資料選定・提供の実施が継続され,実績も伸ばしている。府域自治体の間には,小学校の調べ学習支援の環境にまだまだ格差があり,府立図書館がバックアップする意味は大いにあると考えられるが,本来小学校は市町村が設置母体であることから,本事業の今後の展開については,市町村の図書館との関係も含めて,サービスの形について十分に検討されることを望みたい。

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4.「基本方針4」
(大阪府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。)

 重点目標は「地域資料,古典籍の有効活用,大阪に関する情報発信」「専門性を活かした外部連携」「デジタル資料の収集・提供」の3項目である。
 現在,図書館にはその所蔵資料のみならず,地域の情報を収集,蓄積,発信することにより,地域の記憶装置としての役割を果たすとともに,当該地域における信頼性の高い情報源として,住民の多様な情報要求に応えることが求められている。その中核となるのが,「大阪文献データベース」およびその発展的な形としての「デジタル大阪ポータル」である。平成25年度,平成26年度と,その実現への模索が続いているが,計画の具体的な展開案を待ちたい。大阪府の行政資料を中心としたデジタル媒体資料を収集し提供する「おおさかe-コレクション」に関しては,府各部局との連携の芽が進みつつある。大きく育てていただきたい。ただし,公開資料については,「知の公共性」の観点からもCC(クリエイティブ・コモンズ)マークなどの採用について検討が望まれる。「地域資料および古典籍サービスにおける連携先の拡大に向けた取り組みも進めていただきたい。

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5.「基本方針5」
(大阪府立図書館は、府民に開かれた図書館として、府民とともにあゆみます。)

 重点目標は「生涯学習活動の支援,地域の魅力づくり」「インターネットを活用した情報発信」の2項目である。
 「生涯学習活動の支援,地域の魅力づくり」の中には,施設自体の魅力を高め,人を集めることが含まれる。平成26年度に中之島図書館のリニューアルの成果は次年度以降になるが,大いに期待される。また,施設に足を踏み入れた際の第一印象や,利用する上での分かりやすさは,施設自体の魅力に影響を与える重要な要因である。府立図書館においても既存の貼り紙類をゼロベースで見直し,統一されたサイン計画へと踏み出すことを提案したい。
 「インターネットを活用した情報発信」については,ツイッター,フェイスブックなどのSNSを活用し,情報提供,広報に努めはじめている。SNSの特長を活かす工夫が必要であろう。

  以上,平成26年度の実績評価と平成27年度計画の評価を行った。
 全体を通じて,大阪府立図書館は新しい21世紀の府立図書館サービスを目指して,鋭意職員一丸となって工夫,努力を重ねている点は高く評価しておきたい。ただし,特に数値目標のある事項について,毎年度,「前年度比○%」増加を追求するのは,予算や体制上からも無理がある。持続可能な府立図書館サービスの提供のためには,一度立ち止まって,数値目標の考え方について再考する必要がありはしまいか。
 最後に,「アクション・プラン」全体を通して,「企画,検討,調査」,「集計,評価,検討」,「実現性検討」という記述が散見される。計画意思決定や実現へのスピードが少し遅いのではないだろうか。予算を伴うものは財源と時間が必要ではあり,図書館の立場の理解もできはするが,あえて苦言を呈しておきたい。

 大阪府立図書館協議会 活動評価部会

【平成25年7月1日~平成27年6月30日】
岸本 岳文(京都産業大学文化学部客員教授)
○ 北 克一(相愛大学共通教育センター特任教授)
村上 泰子(関西大学文学部教授)
(50音順・○は部会長)

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「基本方針と重点目標(平成25-27年度)」およびそれに基づく活動評価について

平成26年度

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