大阪府立中央図書館・バリアフリーの施設・設備

  1992年に大阪府は、全国の都道府県に先駆けて、「大阪府福祉のまちづくり条例」(平成4年10月28日大阪府条例第36号)を制定しました。 1996(平成8)年5月10日に開館した大阪府立中央図書館は、この条例が適用される第1号の大阪府立の大型施設ということもあり、 計画段階から担当部局と協議を重ねながら、障がい者にもやさしい施設づくりをめざし、建設が進められました。


 以下に、府立中央図書館の施設・設備面でのバリアフリー対策について紹介します。

◎段差をつくらない
段差は下肢に障がいを持つ人だけではなく、すべての人の行動を制約することになるため、 中央図書館ではまず第一に段差のない施設づくりを目指しました。図書館の1階床面は浸水対策から、 地表から約1mほど高くなっていますが、階段等の段差は作らず、前庭におけるゆるやかな勾配(約1/100 )によってその落差を解消しました。また館内も原則として段差を作らず、 上下移動は音声案内付きのエレベータを使用することにしています。 唯一1階の企画展示エリア、グループ読書エリア及びカフェは、建築デザイン面から30cmほど床面を下げていますが、 この部分にはスロープと階段(手すり付き)を併置(2か所)して車椅子や松葉杖での利用者に配慮することにしました。

◎「点字ブロック」と「手すり」の設置
視覚障がい者用誘導ブロック(点字ブロック)については、最寄りの荒本駅ホームから図書館への経路は勿論のこと、 図書館内についても表入口(将来の車を使用しての利用を考慮して裏の通用口からも敷設)から対面朗読室への誘導ブロックをメインルートに、 各階のエレベータからカウンター、会議室、レストラン等へ誘導できるようにしました。 色は弱視者に配慮して目立つ黄色になりましたが、ビス止め式のため破損し易いといった問題が残っています。
点字ブロックと併せて対面朗読室前や会議室前など主要な廊下部分には手すり(点字標示付き)も設置しました。

◎誘導鈴の設置
視覚障がい者に入口の位置を知らせるために、 正面入口(2ヵ所)の上方に誘導鈴を設置し入口の位置を音により標示するようにしました。

触知案内板の設置

視覚障がい者に部屋の構成等の平面配置を理解していただくために、敷地境界付近の前庭(2ヵ所)、 玄関前(3ヵ所)、および2〜4階のエレベータ前に点字・触知図つきの案内板を設置しました。 特に正面玄関前の案内板(2ヵ所)については職員を呼び出すためのインターホンも付けています。

◎障がい者用トイレの設置
障がい者用トイレについては地下2階と1階から4階までの各階に設置しました。 特に1階については閲覧室部分に2ヵ所、ホール部分に1ヵ所の計3ヵ所(うち対面朗読室横のトイレは男女兼用)に設置しました。 障がい者用トイレについては、感知式洗浄装置及び自動水栓装置に加えて、非常呼び出し装置を設置し、 緊急時には最寄りのカウンター等に通報されることにしています。またこのトイレには、 赤ちゃんのおしめ替え用のベビーシートも設置しています。 このほか一般のトイレについても補助手すりならびに自動水栓装置を設置しました。
対面朗読室・録音室の設置
夕陽丘図書館時代の2室を拡充して、 7室の対面朗読室と1室の録音室を設置しました。各朗読室は約8uあり、 内装にグラスウール化粧板を貼り防音・防振対策に配慮するとともに、 外気の取り込みを求める利用者に配慮して大きな窓(二重の防音ガラスとし、 音の反射を防ぐためにカーテンも付けています)も開けています。 また入口の扉については密室状態になることへの利用者(朗読者)の不安を解消するために、大きめのガラス窓(60cm ×60cm) をつけました。一方録音室については中空構造にし、対面朗読室以上に防音・防振対策を施しました。
対面朗読室には、録音機器のほか、高速ダビングマシーン、点字タイプライター(4種類)、レーズライター、インターホンなどを用意しています。また将来の利用を考えて、検索端末端子や電話取り込み口も用意しています。
なお対面朗読室の机の脚については、当初金属パイプを使用していましたが、録音時に音の反響が発生する恐れがあるため、すべて木製の脚に替えました。

◎聴覚障がい者等用の設備
補聴器使用の聴覚障がい者のために、雑音にじゃまされず職員と対話できるように磁気誘導ループを各カウンター前のほか、大会議室、こども資料室内の「おはなしのへや」、ホール(客席と舞台全面)に設置しました。(職員はピンマイクを胸に付けて話をする。)
各カウンターの上には液晶ディスプレイを設置し、音声案内が聞きとれない人のための各種表示を行うことができるようにしています。文字の入力は2階のカウンターからの一括送信のほか、各カウンターでもノートパソコンを通じて独自に入力・送信できるようになっています。
非常時には天井のフラッシュ付避難口誘導灯が作動するようになっています。

◎障がい者用駐車スペース
地下駐車場には障がい者用駐車スペース(3台分)を確保しました。
   (駐車料金は障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの提示により無料となる。)


弱視者への配慮
点字ブロックの利用者の多くは弱視者であるとの認識から、各階のエレベーター前からカウンターまでを黄色の点字ブロックで結び誘導することにしました。また各階の閲覧室および対面朗読室には拡大読書機を設置しました。このほか、玄関をはじめ館のガラス壁には、白のラインテープを貼付し、ガラス壁への衝突を防いでいます。

◎障がい者サービス用機器類の設置(録音用機器を除く)
パソコン、点図ディスプレイ、点字ピンディスプレイ、スキャナ、デジタル録音図書再生機器、点字プリンター
全視情協(全国視覚障害者情報提供施設協会)の視覚障害者情報ネットワーク「サピエ」等とも接続
立体コピーシステム(視覚障がい者用に文字・図等が浮き上がるコピー機)
ファクシミリ  聴覚障がい者へのレファレンスサービス用
<以上、障がい者支援事務室に設置>

◎その他の設備・機器
昇降式検索端末台を各階に配置しました。 2階の研究室にも昇降式閲覧机を用意しました。
(63〜78cmの約15cm上下する)
カウンターの高さはすべて71cmとし, 前面に35cmの切り込みを入れて車椅子利用者等と正面向いて対話できるようにしました。また将来のカウンターの機能変更に対応できるように、切り込みを一部分だけではなく全面的に入れました。
書架間隔を1.8mから2mとり、大型の電動車イスでもゆったりと通行できるようにしました。書架の高さもできるだけ低書架を配置しました。
職員通用口横には盲導犬用の足洗い場(トイレ)を設けました。
ホール客席には、車イス障がい者用に一般座席6席を外して4席分のスペースをとれるようにしました。

そのほか、「大阪府福祉のまちづくり条例」に示された整備基準についてはすべてクリアしています。(誘導基準については一部クリアできていません。例:エレベーターの窓)

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